小川フミオ
2011年12月
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小川 フミオ/OGAWA Fumio
Earshot

「イヤーショット」とは英語で「聞こえる範囲」のこと。取材中に聞いたことで、「これおもしろいね!」という言葉を、自分なりにふくらませてみたのが、このブログ。記事から外れてしまう発言の中にも、現在を的確に批評していたり、未来へと向かうヒントが隠れていたりする。プロフィールは、グルメやクルマを中心に、ライフスタイル全般を手がけるジャーナリスト。


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「ベテランはがんばっている」(建築家)

ベテラン建築家と話しをしていたとき。最近は建築の仕事が減っているという話題になった。そのなかで、ゼネコンが建築事務所を出さずに、自社の設計部に仕事を回す傾向が強くなっているということと、若手建築家のプレゼン能力が落ちているいうことの2つが問題だ、と言うのだ。

「公共建築など、比較的おおきなプロジェクトのコンペで審査を通過するのは、たいていベテラン建築家。なぜかというと、プレゼンテーション能力が高いから。言葉に説得力がある。若手建築家は視野が狭く、このひとに託したいとまで思わせる説得力に欠ける」

審査員をやるときは、気持ちでは若手を勝たせてあげたいと思うが、実際には、ベテランには言葉があり、提案があり、遠くまで見通す視野の広さがある。そこでベテランを下げるのはほとんど不可能だそうだ。

「若手建築家は、このご時世で仕事が少ないせいもあるでしょうが、せせこましい改築とかばかりやっているせいか、スケール感がとぼしい。その点、ベテランはたとえ(これで最後の作品?)と思うぐらい高齢でも、審査員の心を打つ力を持っている」

このことをどう見るか。若手がんばれ、と応援したくなるいっぽう、経験が人生ずっとどこまでもプラスに働くことを嬉しく思いたくなる。そういえば、ミケランジェロがサンピエトロ大聖堂を設計したのは80代だというし、ベルディが「アイーダ」を作曲したのは60代だ。作者が高齢になってから数々の名作が生み出されていることを考えると、人生は長生きする価値があると思えて嬉しい。


多摩美術大学図書館を設計したとき伊東豊雄は67歳だった(まだぜんぜん若いか)


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