小川フミオ
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小川 フミオ/OGAWA Fumio
Earshot

「イヤーショット」とは英語で「聞こえる範囲」のこと。取材中に聞いたことで、「これおもしろいね!」という言葉を、自分なりにふくらませてみたのが、このブログ。記事から外れてしまう発言の中にも、現在を的確に批評していたり、未来へと向かうヒントが隠れていたりする。プロフィールは、グルメやクルマを中心に、ライフスタイル全般を手がけるジャーナリスト。


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「モンブラン以外は甘くない」(フランス人)

最近はちっちゃな話題が続いたので、たまには国際的な話しを(笑)。レストランは外に開かれた窓だと僕は思っている。レストランでは料理やワインを通して海外の動きを感じることがあるし、また、世のなかを動きを知る契機になることも。

いま帝国ホテル東京で「ホテル リッツ ウィーク」なる催しを開催中だ(1月23日~29日)。パリで1898年に開業した「オテル リッツ パリ」のシグネチャーレストラン「レスパドン」の料理人が来日して、あちらのメニューを食べさせてくれるというもの。僕も先日、プレスランチョンでおじゃました。

そもそもオテル リッツ パリと料理といえば、現代フランス料理のいしずえを作ったオーギュスト エスコフィエが料理長として就任していた歴史を持ち、ホテル業界でも料理業界でも、ひとつのエポックを築いた存在だ。現在もレスパドンの評価は高く、帝国ホテル東京では過去にも同様のフェアを開いたとき、大きな評判をよんだと聞く。

出される料理は、基本的にレスパドンで人気のもので構成され、食材も肉、魚、さらにパンの材料までフランスから持ってこられたものが多いという。僕のときは、ブレス産の肥育鶏、タラ、キノコ類がフランス産。調理も、フランスのスタッフが、帝国ホテル「レ セゾン」の料理人とともに手がけていた。

食べた印象は、素材の味を強く打ち出したものと、ソースの味で食べさせるものと、くっきりと分かれているように思えた。たとえば、鶏は淡い独特の味わいとともに、そこはかとない甘さを感じさせ、鶏からとったブラウンソースがそれを補強する。中にフォアグラが詰められているが、こちらも多少のこってり感を補うものの、主役の存在を打ち消すことはない。胸肉を使うが、わきにモモ肉にインカのめざめ(ジャガイモ)を合わせたカプチーノ仕立ての小さなカップが用意され、ふたつの部位が違う料理法で味わえる構成だ。「このモモ肉はおいしいなあ」と感心していたら、「それはフランスで、サイドディッシュ オブ ザ イヤーをもらったんです」とリッツから来たマネジャーが教えてくれた。

デザートはサバラン。ふわっとした仕上がりで、なかにパイナプルが入っている。そして脇に「冷たいグロッグ」と名付けられたサイドディッシュが。軽い甘みをつけられたホワイトラムではないかと思う、サバランと交互に食べると、それはそれで楽しい。甘みはおさえめで、それが意外、という声がゲストから出ると、「いまフランスではどこも甘みは抑えめですよ。依然として甘いのは、一部の店のモンブランぐらいですよ」とのこと。なるほど。これだけでもいまのフランスがわかるような気になった。


 ブレス産プーラルドとフォアグラ ルージエ、じっくり煮込んだちりめんキャベツ


これが魅力的なサイドディッシュの鶏のモモ肉のカプチ0-ノ仕立て


柑橘果実で風味づけしたサバランのポシェとエキゾチックフルーツの芯


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