小川フミオ
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小川 フミオ/OGAWA Fumio
Earshot

「イヤーショット」とは英語で「聞こえる範囲」のこと。取材中に聞いたことで、「これおもしろいね!」という言葉を、自分なりにふくらませてみたのが、このブログ。記事から外れてしまう発言の中にも、現在を的確に批評していたり、未来へと向かうヒントが隠れていたりする。プロフィールは、グルメやクルマを中心に、ライフスタイル全般を手がけるジャーナリスト。


月別アーカイブ: 1月 2013

「コーヒーには多様性が必要だ」

コーヒーの話しの
コロンビア版のつづき。

ここで何度も触れている
エメラルドマウンテン
生産を管理しているのは
コロンビアの首都ボゴタに本社を置く
コロンビアコーヒー生産者連合会(以下FNC)だ。
僕もまるで
ロサンジェルスのビジネスディストリクトを思わせる
企業の大きなビルが並ぶ
ボゴタの一角にある
FNCを訪れたことがある。


ボゴタで展開される
あちら版スタバとてもいうべき
フアン・バルガスカフェも
このFNCが管理している。
一階にはグッズショップまであった。
ここでは担当者が
エメラルドマウンテンをめぐる
コロンビアのコーヒー事情を教えてくれた。

--エメラルドマウンテンのはじまりは?
「コロンビアにとって
初のクオリティコーヒーを作ろうという
プロジェクトです。
もともとコ-ヒーの木は繊細で
気候の影響を受けやすく
コロンビアには
82のマイクロクライメートがあると言われているように
地域ごとに多くの品種が作られていました。
しかしそこには
病気に弱い品種や
収穫量が少ない品種もあり
大量輸出には向いていなかったので
栽培品種をコントロールする必要が出てきたのです」
--コーヒー栽培でもっとも大変なことは?
「気候とのたたかいです。
コロンビアには
56万3000のコーヒー栽培者がいて
北から南までコーヒーを作っています。
コーヒーは
年に2回収穫できるので
上手に出来れば
収益もそれなりに出るのですが
農家のうち
1ヘクタール以下の土地しか持っていないひとが
70パーセントにおよぶという状況なので
いちど天災などに遭うと
打撃が大きいのです。
実際ここ数年
コロンビアのコーヒー農家は
ラニーニャと呼ばれる
海の水面温度が下がることによる
低温の悪影響を受けて
コーヒー収穫量の減少に苦しめられてきました」
--でもコーヒーからは離れられない。
「重要な産品です。
なによりコーヒーは
私たちにとって
重要な文化です。
農家のなかには
自分たちがこれと信じた品種を
大事に育てているところが
少なくありません。
少量でも多品種にこだわるのは
ワインと少し似ています。
でもそれでは生活が成り立たなくなる危険がある。
そこでカスティージョ博士というひとと
私たちは
病害に強い品種の育成に乗り出しました。
かつ海外で品質の高さが評価され
輸出の中核に据えられる品種として
15年前からカスティージョと名付けた品種が
中心的になりました」
--それがエメラルドマウンテンになるのですか。
「以前はカトゥーラという
すばらしい品種を使っていましたが
より強く
生育に手間がかからず
生産量も多いカスティージョが
農家にとっても必要ということで
いまはこちらにスイッチしてくれるよう
農家に働きかけています。
カッピング(テイスティング)しても
美味と定評のあった
カトゥーラと見分けがつかないレベルまで
第6世代のカスティージョは品質が上がっています」
--私たちが「エメラルドマウンテン」として
ふだんなにげなく接している
コロンビアのクオリティコーヒーには
そういう背景があったのですね。

「中核には
おいしいコーヒーを飲みたいという
コーヒーカルチャーがあることを
つねに忘れていません。
それがクオリティコーヒーを生み出す
原動力になるのです」


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